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評価:
三浦 しをん
新潮社
¥ 1,890
(2006-09-21)

JUGEMテーマ:読書

走(かける)は高校陸上界で将来を嘱望された選手だったが、組織に縛られて走ることに嫌気がさしていた。自由に、ただ思うままに走ることにだけ執着する走は、大学入学直前のある夜、コンビニでパンを万引きして走りながら逃げている途中、追いかけてくる人間に気づく。それは同じ大学四年の清瀬だった。「いい走りをしている」清瀬は走の走りをそう言うと、清瀬自身も住んでいる、古い木造の竹青荘への入居を勧め、金に困っていた走は清瀬の申し出を受けて新しい生活をはじめる。
実は、清瀬には密かな野望があった。住人が10人揃ったら――あの駅伝大会に出る、という夢が。

走ることに対し、強い執着と確かな才能を持ちながらも、自ら競技の道を降りようとしていた走。同じく、かつては実力を謳われながら、故障によって道を断たれた清瀬。その二人と、ほとんど走ることに対して素人だった竹青荘の学生たちが箱根駅伝に出場して頂点を目指そうとする青春小説。

三浦しをん、すごいな。と感心しきりの一冊でした。まず、メインの登場人物全員がキャラがしっかり立っている。天真爛漫で仲良しの双子、美形の漫画オタク、弁護士志望の音楽好き、ヘビースモーカーの三回生(ただし留年で入学五年目)、理工学部の黒人留学生、他。属性を書きだしただけですが、見事にバラバラ。それでも彼らのちょっとした会話や小さな行動で彼らの個性、性格をちゃんと読者にさりげなく認識させています。
そして、文章の表現力の素晴らしさ。「走る」ことをしばしば、闇の中の光や、夜空の星の輝きにたとえたり――表題にもある「風」も、本文中で重要なキーワードかもしれませんが、それ以上に「星」は本作で明らかに重要なイメージとなっています。「走る」という孤独。その「長さ」。清瀬が走に見つけた光。「夜」という闇の中で「星」が放つ孤独な輝きは「走る」ことそのものだと。作者がこめた強い思いがそこから感じられます。
最初は素人で、仕方なくはじめたメンバーたちも、やがて「走る」ことに魅せられていき、チームは時に小さな事件に揺れながらも、団結して、運命の時を迎えます。クライマックスは襷をつなぐ順番で、10人それぞれの想いが語られ、とても感動的。読後感も文句なく爽やかで、いい本を読んだなあ、としみじみ思いました。

実は駅伝はまったく興味なかったのですが…次のお正月は、真面目に見てみようかな?(単純)

| 読書(一般) | 21:42 | comments(2) | - | pookmark |
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COMMENT
三浦しをん先生のエッセイも面白いので、時間があれば是非
読んでみてください!!

あとは穂村弘のエッセイもお勧めですよ♪♪
| ろーれる | 2010/09/27 8:32 PM |
三浦しをんさんはとりあえず出されているもの全部読みたいと思います!
今までよしながふみとBL対談した方というだけの認識だったのを改めます、反省します…

穂村弘さん…というと、雑誌で短歌の読者投稿コーナーをされてる方だったかな?
お薦めありがとうございます! 読んでみます♪
| 秋芳 | 2010/09/29 7:57 PM |
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